日常生活について

複視のある場合

 筋無力症の眼症状には、眼瞼下垂や複視がありますが、初期の頃は、複視のため頭痛、めまい、気分の混乱などが起こりがちですので、片目眼帯で複視を避けたりします。薬のコントロールによって慣れてきたら、できるだけ両眼視して生活するようにします。またリハビリの章でも述べているように、長期に使わないことによる筋萎縮を避けるためにも、薬が効いている間に眼球運動のリハビリをすることが大切です。

  • 複視のために物が二重に見えると同時に、遠近や段差の目測ができなくなりますから、階段の上り降り、ちょっとした段差でも危険なことがあります。手摺を握るなど用心をしてください。(駅の階段で転落して大怪我をした、という経験者は少なくありません。
  • 読書はどうしても片目でしがちですが、その場合でも両方の眼を交互に使うなどの工夫が大事です。とくに視力の完成途上にある子どもたちは、使わない方の目が弱視になることがありますので、医師の指導を受けてアイパッチを左右交互に使って弱視を防ぐようにします。
  • 複視のある場合は、車の運転は避けなければなりません。しかし、片目で見ることに慣れれば、自転車などは、わりあい危険なく乗れるものです。
  • 眼症状は、悪いストレス(怒り、不安、苛々、過労、気苦労、自意識過剰、気候の寒暑など)に敏感に反応して悪化します。一方、十分な睡眠や休息をとれば確実に楽になります。また良いストレス(趣味・勉学などへの熱中、リラックスできる人間関係などその人にとって快い刺激となるもの)は気分を高揚させ、眼症状を軽快にさせたりします。
  • なお眼瞼下垂は、明るい光線の差すところでは悪化し、暗い所では楽になりますので、サングラスで光を避ける工夫もします。
  • アンバランスな両眼の角度(斜視)を矯正して、両眼視しやすいように助けてくれるものに、プリズムレンズがあります。眼症状が固定したケースに有効で、複視がかなり軽減されます。プリズムレンズは眼鏡の内側または外側につけるようになっていますが、眼科医の測定と指導を受けて処方を書いてもらい、眼鏡店で作ることができます。。